第2回アフリカツメガエル研究会(XCIJ)総会
日時: 2002年5月23日(木)、12−14時
場所: パシフィコ横浜、413号室
出席者: 浅島誠、池上陽子、岩尾康宏、上野直人、内山英穂、長田真一、小針布実子、喜多山篤、木下勉、古賀正明、坂井雅夫、笹井芳樹、鈴木厚、平良眞規、竹林ー鈴木公子、田村宏治、栃内新、中村正久、中村正彦、中條信成、西松伸一郎、林利憲、福井彰雅、前野貢、水野伸彦、餅井真、諸熊淳治、矢尾板芳郎、渡部稔、(以上以外にも当日参加の人が2、3人いました); 受付アルバイトとして、山元進司、高橋範行
決議事項
- 総会の書記として木下、会計として内山が承認された。
報告事項
- JGI(Joint Genome Institute), DOE(Department of Energy)において、2002年4月よりトロピカリス(X.tropicalis)ゲノムの配列決定作業が開始されていることの報告があった(上野)。ゲノムサイズの8倍に相当する塩基の配列決定を2003年までに完了し、2004年にannotationジャンボリーの予定。
- バイオリソースプロジェクト設立の準備状況が説明された(上野)。プロジェクトの組織構成は、トロピカリスの繁殖、保存、配布(広大・両生研)、トランスジェニック系統の作出(奈良先端大)、cDNA収集、DNAアレイの作製・配布(基生研)、in
situデータの収集、データベース化(東大)。国から5年間にわたり、生物系統、遺伝資源の保存・配布などを行うための資金援助を受けられるように申請中。
- トロピカリス繁殖・系統維持に関して、広島大学両生類研究施設における飼育状況の説明があった(矢尾板)。トロピカリスは現在150匹であるが、必要に応じて欧米からの輸入を加えて1000匹まで飼育規模を拡大可能。核型分析に基づく系統のチェックが必要との指摘があった。奈良先端大の安田研ではトロピカリスの雄雌をそれぞれ100匹保有していると、安田からの伝言として報告があった(平良)。
- cDNA収集・DNAアレイの作製・配布についての説明があった(喜多山)。http://xenopus.nibb.ac.jpで公開中のNIBB/NIG
Xenopus EST projectの利用状況は、スタートしてから3ヶ月間にネット利用者が約1000件、クローンリクエストが216件。今後は後期ステージのライブラリー作製と全長シークエンスを目指す方針。
- In situ発現パターン・データベース・プロジェクトの実施案についての説明があった(平良)。http://xextdb.nibb.ac.jpで公開中のデータベースはキーワード、塩基配列に基づく検索が可能。今後は過去に発表された遺伝子も含めてデータベースの充実をめざす方針。
- アフリカツメガエル実験ビデオの作成についての説明があった(坂井)。ツメガエルの飼育、受精卵の得方、正常発生、実験形態学的操作などについてわかり易くまとめたDVDを希望者に実費にて配布予定。
その他として以下の議論があった。
- Cold Spring Harborで行われているツメガエル実験のトレーニングコースをXCIJが中心となって行う構想を検討してほしい。
- トレーニングコースの実施に合わせて、実験ビデオの作成やマニュアル本の作成ができることが望ましい。
- 市販の抗体でXenopusに有用なものなどの情報をXCIJとして集めてはどうか、また海外からのプラスミドの入手で時間がかかるものなどを国内で配付できるようにしてはどうか、との意見が出された。
議事終了後、総会の協賛企業としてマリンバイオティク社(代理店:日京テクノス)から、カエルの飼育装置についての説明があった。